2016/09/21 15:54

『自由人、海老フライは………』


私は海老フライをそんなに好きと言う訳ではない。
しかし、世の人々は海老フライが好きらしい。

先日、散歩の途中に渋谷の町を通りすがった時
『海老フライ専門店』なる看板を見つけた。



たまに私宅で催すB級会に、
そんなに好きではない海老フライを振る舞うと大好評である。

何がそんなに人を惹き付けるのか不思議である。
その何故?を追求することまではしない、
メンドクサイからである(笑)

前のブログにも書かせてもらたっが、
私は高校生時代に大衆割烹でアルバイトをしていた。

板前の作業も私の仕事であった。
烏賊の皮剥き、ワタの取りだし、下足の下拵え、
焼鳥の串打ちも散々やらせてもらった。

そんな作業の中で腕を磨いたのが、
海老フライの下拵えである。

脚を手でむしり、皮を剥き、背ワタを抜く。
尻尾の先に溜まった汚れを落として、刺を折る。
揚がりが綺麗に成るように内側の筋を切り真っ直ぐ伸ばす。
何百匹もの下拵えである。

ただただメンドクサかった。それが思い出である。
私にとってはどうでもいいスキルであるが、今は少し役にたっている。
ん?役にたっていると言うのだろうか…………
そう言う事にしておこう。

『築地』



築地の場外市場に行けば、一般人でも新鮮な魚を買う事が出来る。

私は一般人なので、
競りで魚介類を買う事が出来ないので場外市場での買い物になる。

その場外市場はけっこう楽しい所で、
屋台みたいな店が建ち並び、ラーメン屋は常に行列が出来ている。

だし巻き卵をその場で食べられたり、
新鮮な魚介類をその場で焼いて頂く事も出来て、
観光客にも大好評のようである。

その日の私の目的は、大好きな秋刀魚を買うこと、
築地市場へは何度となく来ているが買う店はいつも同じだ、

何故ならその魚屋で買った刺身は、
口煩いB級客人にいつも大好評であるからだ。

刺身を買う?

これは至難の技だ。
以前に買ったメチャクチャ美味かった『ヒラマサ』の刺身、
また買おうと思っても季節が進んだその日には全く違う品揃えになっている。

また美味しそうな刺身を選らばなければならない。
ホントにメンドクサイ。

何がメンドクサイかと言うと、頑固者の無愛想なお兄さんとのやり取りだ。
どういう味の魚が食べたい旨を伝えるのが難しい。

結局、その店のお勧めの刺身を買うことになるのだが、
それは店の言いなりなので、若干あまのじゃくな私には少々不本意な買い物だ。
不本意だがそれが確実なので仕方がない。

『ふぞろいの林檎たち』

そんなドラマが一世を風靡した。

落ちこぼた若者達の群像劇、
世間の価値観が同じ方向を向いた時代の話、
趣味趣向が多様化した現在ではあんなに人気を誇ったかどうかは判らない。
時代に合っていたのだろう。

『ふぞろいの車海老』



それが私が築地を訪れた本当の目的だ。
日本人は、画一化された物が好きだ。

『耳を揃える』

なんて言葉はその国民性を表している。
食べ物に関しては規格外と言われる曲がった胡瓜や大きすぎる茄子、形が悪いと
言うだけで売り物にならないそんな野菜や食べ物等が山のように出るようである。

喉元を過ぎれば皆同じなのに……………

自然の恵みの産物だから、全く同じもの
そんな物なんて出来る筈がないのに、それに近い物を欲しがる。
それが日本DNAなのだろうか。

築地を訪れたその日は、その日本人のDNAが私には非常に有り難い。
寸法に合わない車海老がその店には格安で売られているからである。
敢えて云わないが格安である。

車海老の海老フライなんぞ、世間ではなかなかお目にかかれないらしい。
私の家に来るB級人たちには勿体ない。

しかし、連中には御世辞と言う概念が無いらしいので、
忌憚無い、感じたままの本心が聞けるので、
私自身の腕がどの程度なのかを知るにはもってこいの存在である。

大人になると、その場の空気とか、人間関係とか、その先の事を考えながら
発言をするのでなかなか人様の有りのままの考えを聞けないので、
こう言う場は貴重である。

『黒い虎』

英訳すれば、ブラックタイガー。
言わずと知れた一般的な海老の種類、
海老フライ定食などに使われるのは殆どがこの種類である。

人体実験でもないが、味覚は千差万別、十人十色、理解不能。
頭がいい、育ちがいい、お金持ち、余りそんな事は全く関係無く、
敏感、鈍感がかなり有ると考えている。

どんな金持ちやステイタスをお持ちの先生方も、
味覚の感性の無い方々は本当に不幸だと、負け惜しみイッパイに言いたくなる。

『車海老』と『黒い虎』の味の差を、B級審査会にかけてみた。
私の味覚はC級なのか?

想像以上の味の差が有るようだ。
海老フライにあまり執着が無い私にはどうでも良いことなのだが、
B級審査会ではかなりの衝撃だったらしい。

『いつも冷凍の海老フライばかり食べているから
海老フライ何ぞはそんな物と考えていたが、こう食べ比べると全然違う』

どうもそうらしい。

食い意地が張ったB級人たちは、山のように有った車海老の海老フライを
あっという間にたいらげ、ブラックタイガーがどうのこうの文句を言いつつもたいらげた。
食に対する執着は流石だ。

私はテレビ東京の『モヤモヤさまぁ~ず2』
と言う番組が好きだ。

そこら辺の街をブラブラする番組。日曜日の夕方にお気楽に見ることが出来る。
番組内ではよく、偶然に見つけたレストランに入って笑いを誘う。

ある時、私のアトリエ、自由人に因んだくだりを放送していた。
インド人かパキスタン人か、その辺りの人が最近始めたカレー屋さんで、
店のスタッフは只今日本語を猛勉強中だそうだ。

店の看板には
『ナン、おり自由』のセールスポイントが書かれていた。

ン?

『ナン、おり自由じゃなくて、おかわり自由の間違いじゃねぇ~か?』
さまぁ~ずの御二人が、早速突っ込んだ。

更に二段突っ込みとも言うべきか、
『あの平たいナンを自由に折っていいって事じゃねぇか?』
その様子を想像したら笑ってしまった!!!

そこで、さまぁ~ずさんに一言云いたい!!!!!!!
『何故、あの時ナンを折り紙の様に自由に折って、私達を笑わせてくれなかったのか?』

折り鶴の様に、兜の様に、紙飛行機の様に…………
ナンで作った折り鶴…………
そんなの見たことがない。
凄そうだ…………

まあ、食べ物だし、大人の事情があったのかも知れませんね。
でも、さまぁ~ずさんの『折りナン』をぜひとも見たかった。
いつか何処かでこの気持ちを伝える機会が来るのを心から待ち望んでいる。

しかし、ナンで作った『鶴』
どんな感じだろう…………

漢字時計の『鶴』は……………
どんな感じだろう…………

それではいつになるかは分かりませんが、アトリエ自由人のもっと凄い何かを、
乞う御期待。


ものつくリスト  小柳 健一